＜C++＞式と演算子

今回の記事でわかること

式の扱い方が分かる
演算子の種類が分かる

式とは

プログラミングでいう「式」とは、値や変数、演算子を組み合わせて「計算できるもの」のことを指します

算数で「1 + 2」と書いたら「3」になるのと同じで、C++ でも「式」を書けば結果が出てきます

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int num = 1 + 2;
    cout << num << endl;
    return 0;
}

/* 出力結果
3
*/

この場合、1 + 2 が式であり、その結果 3 が num に代入されます

演算子について

式の中で「計算する記号」のことを演算子（えんざんし）と呼びます

算術演算子

C++ で使う演算子はいろいろありますが、まずはこの基本的なものを押さえておきましょう

演算子	説明	例	結果
+	値を足す	3 + 2	5
–	値を引く	3 – 2	1
*	値を掛ける	3 * 2	6
/	値を割る	5 / 2	2
%	割った余りを求める	5 % 2	1

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 5;
    int b = 2;

    cout << "a + b = " << a + b << endl;
    cout << "a - b = " << a - b << endl;
    cout << "a * b = " << a * b << endl;
    cout << "a / b = " << a / b << endl;
    cout << "a % b = " << a % b << endl;
    return 0;
}

/* 出力結果
a + b = 7
a - b = 3
a * b = 10
a / b = 2
a % b = 1
*/

※ int 型で計算をしているため、小数点は切り捨てられます。小数点を扱いたい場合は float や double を使いましょう

比較演算子

数値を「比べる」ために使う演算子。結果は true または false が返ってきます

演算子	説明	例	結果
==	左右が等しい	3 == 3	true
!=	左右が等しくない	3 != 2	true
<	左 < 右	2 < 5	true
>	左 > 右	5 > 2	true
<=	左 ≦ 右	3 <= 3	true
>=	左 ≧ 右	5 >= 3	true

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 5;
    int b = 2;

    cout << boolalpha; // true / false を文字で出力
    cout << "a == b : " << (a == b) << endl;
    cout << "a != b : " << (a != b) << endl;
    cout << "a > b  : " << (a > b) << endl;
    cout << "a < b  : " << (a < b) << endl;
    cout << "a >= b : " << (a >= b) << endl;
    cout << "a <= b : " << (a <= b) << endl;
}

/*出力結果
a == b : false
a != b : true
a > b  : true
a < b  : false
a >= b : true
a <= b : false
*/

C++ では 0 が false 、1 が true ですが、boolalpha を使えば見やすく true / false と出せます

代入演算子

最も使われる演算子ですでに登場しているものを例に挙げると「int a = 5」のようなところで使用されています。ほかにも覚えておくとコードが楽になるもあります

下の表では a = 5 として、それぞれの結果を表示しています

演算子	説明	例	結果
=	右辺を左辺に代入	a = 3	3
+=	足して代入	a += 3	8
-=	引いて代入	a -= 2	3
*=	掛けて代入	a *= 2	10
/=	割って代入	a /= 2	2
%=	余りを代入	a %= 2	1

論理演算子

主に if 分の条件分岐で使われます

演算子	説明	例	結果
&&	かつ（AND）	(a > 0 && b > 0)	両方真なら true
\|\|	または（OR）	(a > 0 \|\| b > 0)	どちらかが真なら true
!	否定（NOT）	!(a > 0)	等しくなければ true

#include <iostream>
using namespace std;

int main() {
    int a = 0;
    int b = 1;

    if (a && b) {
        cout << "ANDの結果：true" << endl;
    } else {
        cout << "ANDの結果：false" << endl;
    }

    a = 1;
    if (a || b) {
        cout << "ORの結果：true" << endl;
    } else {
        cout << "ORの結果：false" << endl;
    }
}

/*出力結果
ANDの結果：false
ORの結果：true
*/

インクリメント・デクリメント演算子

変数を「１だけ増やす・減らす」ための演算子

演算子	説明	例	結果
++	１増やす	a++	a = a + 1 と同じ
—	１減らす	a–	a = a – 1 と同じ

※ 前置（++a）と後置（a++）で「式の評価タイミング」が違うので注意！

ビット演算子

プログラムを扱う現場で働いていますが、使ったことがないので知識程度
この表では例として「a = 6（110）, b = 3（011）」としています

演算子	説明	例	結果
&	ビットAND	a & b	2（010）
\|	ビットOR	a \| b	７（111）
^	ビットXOR	a ^ b	5（101）
~	ビット反転	~ a	1（001）
>>	左シフト	a << 1	１２（1100）
<<	右シフト	a >> 1	３（011）

ビット演算子は普段使われないことの方が多いですが、効率の良い処理やハード制御ではよく出てくるそうです

ビット演算子について詳しく

【AND】両方１の時に１、それ以外は０にする

【OR】両方０のみの時は０、それ以外は１にする。繰り上げのない足し算のイメージ

【XOR】両方が異なるときは１、等しいときは０にする

【NOT】０の時は１、１の時は０と値を反転させる

月ノ書